■■■【第6回】市川森一脚本賞  ■■■

<受賞者・作品>






金子 茂樹(かねこ しげき)氏


「ボク、運命の人です。」(全10回)
日本テレビ、2017年4月15日~

  第6回「市川森一脚本賞」受賞<記者発表>

3月28日(水)午後1時より、東京渋谷・NHK放送センター14階の「記者クラブ」で、

財団常務理事・渡辺紘史より第6回の受賞者発表があり、続いて受賞者・金子茂樹さんの記者会見が行われました。

(左:金子茂樹氏  右:理事・市川美保子)

【受賞の言葉】

「これはシライじゃない」「シライが足りてない」「シライの片鱗はある」。プロデューサーの福井くんとの台本の打ち合わせで最も使った言葉が役名とは無関係の“シライ”という

名前だった。“シライ”とは体操の白井健三選手のことで、若くして自分の名前を冠した数々のオリジナル技を生みだし続ける偉大な選手だ。つまり、我々はラブストーリーの台本の中にまだ誰も使ったことのない技=シライを求めて闘い続けた。そんなこと誰も望んでなんかいないのに。

 

特に思い出深いのは、五話で主人公が力士の断髪式に出席する回。力士の断髪式と披露宴のケーキ入刀のシルエットが似ていることに着想を得て「この二つを融合させたら“シライ”になる!」と息巻いたまではいいが、着地させるのが至難の連続だった。それでも諦めずに書き続け、出来上がった台本のあまりの馬鹿馬鹿しさに「自分は一体なにを書いているんだろう……」と自らの正気を疑うアホの境地に初めて到達することが出来た。これは未知の経験だった。

 

選考委員のみなさま、監督をはじめとするスタッフのみなさま、出演して下さった演者のみなさま、日頃から遠慮のない叱咤激励をくれる友人のみなさま、そして白井健三選手、本当にありがとうございました。

 


<略歴>

1975年生まれ。04年「初仕事納め」で第16回フジテレビヤングシナリオ大賞しデビュー。

『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(2018)、『世界一難しい恋』(2016)、

『きょうは会社休みます。』(2014)、以上NTV。

『ヴォイス ~命なき者の声~』(2009)、『プロポーズ大作戦』(2007)、以上CX。 

 

第6回「市川森一脚本賞」受賞候補者(放送順)

■ふじきみつ彦  

テレビ東京「バイプレイヤーズ ~もしも名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」

40分×全12回、1/13~)  ※①③⑥⑦⑨⑪⑫を執筆。 

 

■金子茂樹

日本テレビ「ボク、運命の人です。」

54分×全10回、4/13~)

 

■嶋田うれ葉

NHKBS「全力失踪」

49分×全8回、9/3~)  ※①~④⑦⑧を執筆。

 

■倉光泰子

 フジテレビ「アイ 私と彼女と人工知能」

60分×全2回、10/2~)