■■■【第4回】市川森一脚本賞  ■■■

<受賞者・作品>






足立 紳(あだち しん)氏


「佐知とマユ」(全1回)
NHK総合、2015年3月17日~創作テレビドラマ大賞

  第4回「市川森一脚本賞」受賞<記者発表>

3月31日(木)午後1時より、東京渋谷・NHK放送センター14階の「記者クラブ」で、財団常務理事・渡辺紘史より第4回受賞者の発表があり、続いて受賞者・足立 紳さんの記者会見が行われました。

左:足立紳さん、右:理事・市川美保子

【受賞の言葉】

9年前、長女が生まれたときに仕事もお金もなく「百円ショップ」の深夜アルバイトをした。そのとき、小学校低学年くらいの女の子が小銭を持って深夜にしばしば買い物に来た。その子は小学生とは思えぬような生気のない目をしていた。あるとき、母親と一緒にやって来た。母親も同じような目をしていた。幸せになりたい、と。きっと同じ目をしながら働いていた自分はこの親子を見て思った。この人たちは幸せになりたいと思えるような心があるだろうかと上から目線で思った。この親子はドラマなんか必要としていないだろうと思いながら、でも誰かと出会ってほしいという願いを込めて書いた。

 

脚本はそれだけで評価されることはほぼなく、完成した作品から想像して評価して頂くことが圧倒的に多いです。なので今回の受賞はスタッフキャストの方々に素晴らしい作品に育てて頂いたおかげです。

 

市川森一先生の作品をロクに見たこともない自分には、大きな嬉しさと同時にとても重たいものを背負ってしまったような気持ちにも少しだけなりましたが、これからはあのときの親子にも少しでも届くようなドラマを作っていけたらと思っています。



<略歴>

1972年 鳥取県出身 日本映画学校卒業後、相米慎二監督に師事。

助監督、演劇活動などを経てシナリオを書き始める。

 ~主な授賞歴~

2012年、第1回松田優作賞グランプリ脚本「百円の恋」が2014年に映画化。

同作品で第17回菊島隆三賞、第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。

2013年、第38回創作テレビドラマ大賞受賞「佐知とマユ」

2015年、映画「お盆の弟」で第37回ヨコハマ映画祭脚本賞受賞(「百円の恋」とあわせての受賞)。

~主な映画脚本~

「スクールガール・コンプレックス~放送部編~」(2013

「モンゴル野球青春記」(2013)「童貞放浪記」、(2009)「キャッチボール屋」(2005)など。

~テレビドラマ脚本~

「いつかティファニーで朝食を」(2015日本テレビ)

~小説~

「乳房に蚊」(2016年2月刊行、幻冬舎)

  第4回「市川森一脚本賞」受賞候補者(放送順)


■高橋 悠也  NHKBS「ラギッド!」(89分 × 全2回、2/21〜)

■足立 紳   NHK総合「佐知とマユ」(50分、3/17)


■安達 奈緒子 フジテレビ「She」(25分 × 全5回、4/18〜

 

■加藤 綾子  フジテレビ「トランジットガールズ」(25分 × 全8回、11/7〜